【戸籍】届書の様式について!

ミニ解説

この記事では、「届書には定められた様式があるか」をテーマに解説します。

届書には「法定様式」と「標準様式」があります。「法定様式」は以下の4つの届書の様式を指します。

  • 出生届書
  • 死亡届書
  • 婚姻届書
  • 離婚届書

それ以外の様式は「標準様式」です。

それでは詳しく見ていきましょう。

届書の様式

「戸籍の届書」は、戸籍に記載する方法の一つです。「戸籍の届書」には決められた様式があるのでしょうか。

届書の様式については「戸籍の届書に戸籍の記載に必要な内容が書いてあり、届出の要件があれば、どのような様式でもよい」というのが基本的な考え方になります(明治31年9月20日民刑第849号回答)。そのため、口頭による方法も一応認められています。

法定様式について

ところが、「出生」「婚姻」「離婚」「死亡」の4つについては、人口動態調査の対象になっていることから、昭和21年10月1日から人口動態調査票作成の便宜等の目的により、一定の様式が定められることとなりました。これが「法定様式」です。

「法定様式」は法務省令に定められていて、戸籍法施行規則第59条附録第11号から第14号に掲げられています。

例えば、「出生届」は以下のとおりの様式となります。

引用元:法務省

「出生」「婚姻」「離婚」「死亡」の4つの届出については、必ずこの様式によって届け出なければなりません。

ただし、例外として以下のようなやむを得ない事由によって届け出ることができない場合は定められた様式によらないで届出できるとされています。

①出生届と出生証明書と別用紙に記載して届出するしかない場合
②外国に住んでいる日本人が、その国に駐在する日本の大使、行使または領事に届出するにあたり、所定の様式によって届け出ることができない場合

例えば、「外国で出生した子の出生届」なんかがあります。外国は外国の機関で作成した出生証明書を添付しますから、出生届書と別用紙にするしかありません。

標準様式について

届書の様式については、前述のとおり「戸籍の届書に戸籍の記載に必要な内容が書いてあればどんな様式でもよい」という考えから、人口動態調査に必要な4つの届書を除き、届出人が任意の様式によって届書を作成して届け出てよいという取扱いです。

しかし、届出人はどうやって届書を作成すればよいか分かりませんし、審査する市町村の担当者もバラバラの作成方法で届出されたら不便極まりありません。

そこで、残りの届書についても様式を統一するため、「標準様式」が示されることになりました。

「標準様式」は通達で定められています。

【通達の変遷】
昭和59年11月1日民二第6539号通達
昭和62年10月1日民二第5002号通達
昭和62年12月26日民二第7186号通知
昭和63年11月16日民二第6539号通達
平成2年3月1日民二第601号通達


なお、「法定様式」と違い、この様式を使用しなければならないというわけではありません。

ただ、実際はほぼ標準様式を使用して届出していると思います。

まとめ

「届書の様式」は、当初は戸籍の記載に必要な内容や要件さえあれば、どんな様式でもよい取扱いでした。

しかし、人口動態調査の便宜等の理由から昭和21年10月1日に「出生」「死亡」「婚姻」「離婚」の4つの届書の様式が定めらました。⇒「法定様式」

次に、全国的に統一様式にするため、残りの様式も定められました。⇒「標準様式」

タイトルとURLをコピーしました